広島パン屋の環境講座

ここでの仕事は薪に火を焚べることから始まる。広葉樹の薪は火のエネルギーの代償として、灰へと変わる。

「それではここでクエスションです」と聞かれたわけではないけど、灰は有機か、無機かと問われた。

数秒考えたが、時間切れ。答えは無機物とのこと。

理由は燃えないから。逆に燃えるものは有機物。分かりやすい。(学術的にいうと、炭素を含むのが有機、含まないものを無機という)

燃えることができるというのは元々は太陽から来ている。植物の光合成。

そして燃えた熱はやがて宇宙へと帰る壮大な循環。

それから元素と細菌の話へと移り、なるほどと思いながら聞いていた。

少し違うのだけれども、ふと福岡伸一の「生物と無生物のあいだ」を思い出した。
そこに書かれている生物の動的平衡という概念が面白かった。簡単に言うと、動的平衡とは、絶え間なく動きながらバランスを取っていること。生物も地球も、同じく動的平衡を取っている。見えない繋がりの中で循環していくのであれば、今私たちにできることは?

この本を読んだこと、これもパン屋になりたいと思った1つの布石だったと今は思う。
(生物の動的平衡については、「生物と無生物の間」に詳しく書いてありますので、省略します)

今日から3月。広島に来て、早くも1.5ヶ月が経ち、有機物の髪も伸びた。天然パーマなので、正確に書くと伸びるというより、ボリュームが増すが正しい。
生地が発酵して膨れるように、髪も発酵しすぎたので、明日は髪を切ろう。人は自然の摂理には逆らえない。