■アルコールへの挑戦
僕はアルコールが飲めない。学生の頃、一気飲みを何度もさせられて、急性アルコール中毒一歩手前になったことがあります。正直、トラウマです。
注射をする前のアルコール消毒でも皮膚が赤くなるので、体内のアルコール分解酵素が弱いです。
発酵の勉強していくと、日本酒、ワイン、ビールと、アルコールが世の中に溢れていることに気づきます。深く発酵を理解するには飲むしかないのか。「聞いてないよ」と言いたい気分。
■試飲
今週まで一緒に研修していた隼輔くんが日本酒好き。
@acm.okamoto
便乗して、竹原と西条の酒蔵見学に行ってきました。最初、試飲をしても「お酒だな」の一言しか感想が出ませんでした。でも試飲を繰り返すたびに、味の違いが分かるようになりました。「これは辛いかな」「香りがふわっとくるけど、スッと消える」
アルコールに敏感だからこそ、分かることもありそうです。
■日本酒とは
日本酒を語るにはまだ早いので、本から抜粋します。
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日本酒は、米のデンプンを麹菌の酵素によって糖分に変えると同時に、酵母が糖分を食べてアルコールを出すこと。
(パン屋の教科書:季刊まっすぐ 石川達也 参照)
強い酵母を作るために、そして酵母を守るために乳酸菌が大事な役割を担います。
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■ダチョウ倶楽部
イメージしやすいように、日本酒作りをダチョウ倶楽部に例えてみます。
•麹菌:肥後克広
•乳酸菌:寺門ジモン
•酵母菌:上島竜兵
•日本酒:熱湯風呂に落ちる芸
まず肥後克広が先陣を切ります。観客は始まったとワクワクする。(デンプンを糖分に変える)
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寺門ジモンが上島竜兵を盛り上げるために、肥後に続く。そして、「どうぞ、どうぞ」と言って、活躍の場を上島に譲ります。(酵母を強くする)
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上島が「押すなよ、押すなよ、絶対に押すなよ」と言いながら熱湯に近づき、笑いを誘います。(糖分を食べてアルコールを出す)
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熱湯風呂に押すため、上島の近くに肥後と寺門がいるように、麹菌はデンプンを糖分に変え続け(並行複発酵)、乳酸菌は酵母を守り、酵母のエサを運ぶなど別の役割を担ってます。
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上島が熱湯に落とされることで芸が完成するように、日本酒もついに完成します。3人の計算され尽くしたコンビネーションはもはや伝統芸能です。
このコンビネーションが日本酒作りに近いように感じます。
(日本酒造りはもっと複雑なので、これは今の僕のイメージです)
■乳酸菌と寺門ジモン
注目はやはり寺門ジモン。いなくてもいいように思うが、とても大事な役割です。実は多彩な寺門ジモンを理解するのが難しいように、日本酒もパンも乳酸菌の役割を理解することが重要だと感じています。
■菌の末路
菌たちの活躍によって作られたパンも最後は薪窯の熱で焼かれて死んでしまう。
草葉の陰から「聞いてないよ」と3人の叫びが聞こえてきそうです。訴えられないことを祈ります。