修行

Bear Canister(ベアキャニスター)

広島パン合宿、今日もミスをした。水温の確認ミス。色々と見えていない。すいませんでした。

問題点を箇条書きにしてみた。致命的らしいです。
•五感が弱い
•焦る(理由:普段は閉じていて、大事な時に情報が追いついていない)

そして話題は熊へと移る。まずは僕の熊話。

■ ジョン•ミューア•トレイル
昔歩いたアメリカのジョン•ミューア•トレイル。シエラネバタを縦断する全長340kmの道。熊が多いため、Bear Canisterの使用が義務づけられている。
Bear Canisterとは食料を守るため、熊でも壊せない強度を持ったコンテナのことです。その中に食料や歯磨き粉など匂いがするものを入れる。写真の左、黒い円柱型のものがそれです。

歩き始めて初日の夜だったと思う。テントの中、シュラフに包まって寝ていた。まどろみの中、ガサガサと音が聞こえた。そして、またガサガサと。音が聞こえなくなり、ライトを付けて、意を決して外を見渡した。

そこには西洋ハイカーがいた。彼は「Bear(熊)」と興奮気味に話した。そして外に置いてある僕の食料がその熊に奪われたと教えてくれた。
(食料入りのBear Canisterは危険のため、テントの外に出すルール)

頭が真っ白になった。そして彼は「探しに行こう」という。訳もわからず彼について行くと、すぐに熊を発見する。
彼は何度か石を投げ、僕も1度真似をする。見事追払い、Bear Canisterと共に食料が無事に戻ってきた。

あの頃の僕はまだ山を始めて日が浅い。それでも本で知っていた。熊の奪ったものを奪い返してはいけないことを。

■課題:失敗の相関
ここでパンの研修に話が戻る。
師は福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ事故を教えてくれた。

ヒグマの会より抜粋—————
1970年7月、日高山系カムイエクウチカウシ山(標高1979メートル)で起きた福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ事故は、若い学生3人が死亡する結果となり、登山者や一般市民に大きな衝撃を与えた。
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それだけ、熊からBear Canister(食料)を奪うことは危険であった。

パン合宿でのミスの数々と、アメリカでの熊との遭遇。失敗の相関とは?それが今回の課題です。
まだ理解していないが、ピンチの時にどう平常心を保てるかが大事だと思った。だが、師はメリハリが大事だと教えてくれた。

■アドバイス
師曰く「達人はいざという時に集中して力を発揮する。君はいざという時に焦って情報が追いつかなくなる。
原因は普段から心が閉じている。吉本新喜劇だけでは足りないかもしれない。会話を頑張るように」

■今、優先すべきことは何か
何より大事なものはなにか、がわかっていないと思う。

•熊のとき
大事にすべきだったもの→命
命の危機にさらされてる自覚がない

•パンのとき
大事にすべきだったもの→パンを生み出すための1つ1つの工程(水温がパン作りにおいて、重要な1つという自覚がない)

■ピンチ
Bear Canisterの中の食料のように、ずっと閉じこもって過ごせれば楽だった。熊のような力にも屈しないコンテナ。そして、急にフタを開けたら、とても眩しくて何も見えない。今はそんな感じかもしれない。

混乱していてカオスな長文になってしまった。とりあえず、今はピンチです。

なんてこった、パンナコッタ。
パンナコッタとプリンの違いは分からないけど、笑いへの道は遠い。遠すぎる。

ピンチはチャンス。
ココロトキハナテ。焦るなと言い聞かせて、今日は寝よう。