Nürnberg


大学2年の夏休み、ユースホステルを泊まりながら、ドイツを旅していました。立ち寄ったNürnberg(ニュルンベルク)で、白いソーセージをパンに挟んで食べた記憶が蘇りました。


共通の友人を介して、ミヒャとクリストフが佐久に遊びに来てくれました。彼らは二人ともドイツのベイカーです。しかもbio(オーガニック)の小麦を使い、パンを焼いています。

佐久は観光地ではありません。そのため、彼らを、僕の仲間たちの場所に招待しました。レストラン、コーヒーショップ、パーマカルチャー、クラフトビール、小麦農家さん、農家カフェと、長野県東信地区のローカルな場所へと連れて行きました。

ローカルな場所を通じて、環境、エネルギー、食、発酵、パン、グルテンのことを話しました。そこで知ったのは、ドイツも日本も同じ問題を抱えているということです。
そしてそれらの問題に対して、彼らも、僕も、僕の仲間たちも色んな形でチャレンジしていることを改めて共有したように思います。

浅間山を背景にミヒャが言う。
「日本は遠い国だと思っていた。でも今は遠くない」
そんなニュアンスのことを。

しばらくルー大柴のように、英語と日本語が混じりそうです。



ここでクリストフの紹介をします。
彼はNürnbergのパン屋さんで働いていました。ちなみにドイツ南部はパン作りが盛んとのことでした。Demeter(デメター)というオーガニック認証を取っているパン屋さんで、4トン/週の小麦を使ってパンを焼いています。Bioの小麦で、しっかり膨らむときもあれば、そうでないときもあると、楽しそうに言っていました。

ドイツにはマイスター制度というのがあり、彼は2年間(通常は3年)働いてきたとのことです。
マイスター制度の中で、イタリアのパン屋さんで2ヶ月研修し、添加物たっぷりの工業的なひどいパン屋でも研修してきた。
週4で働き、週1はパンの学校に通う。しっかりとしたシステムのように見えました。

それでもドイツでは、パン屋さんを開くことはできません。マイスターの後は、マスターという資格を取り、さらに数年働き、1万€が必要とのことでした。

パンの歴史が長く、しっかりしているとも言えるし、封建的とも言えます。ただきっと彼はパンを焼き続けていくと思うので、今後が楽しみです。

ドイツのサワードウのスターター(ルヴァン種)をお土産としてもらいました。テンパーニュで使っているものとは全く香りが違い、驚きました。ブラウンチーズのような、とても力強い香りです。
彼は言います。
「小麦、水、乳酸菌、酢酸菌が違うから」
試しに、このスターターをかけついでいこうと思います。どうなっていくか楽しみです。

ドイツの小麦と水と菌たちが織り成すスターターで作った本場のパン、そして大学時代の貧乏旅行の時の、白いソーセージをもう一度食べに、Nürnbergを旅したい、そんな気持ちにさせてくれたミヒャとクリストフとの出会いでした。

そして突然の訪問にも関わらず、受け入れてくれた皆さんに感謝です。

Danke schön