カンパーニュを焼く前に、”ふすま”(小麦の表皮の部分)をかけます。窯入れ時のピールの滑りをよくするための潤滑剤のような役割です。サラサラして感触はなんとなく、モロッコのサハラ砂漠を連想させます。ラクダに乗って、丘に登って朝日を見るなど、あの光景は忘れられません。
昔読んだ上温湯隆著「サハラに死す」のイメージはなく、幻想的な風景が広がっていました。
寝る前に、自然の中でパン作りのイメージをしています。これは師匠からのアドバイスです。朝日が昇りながら、鳥の声を聞いて、落ち着いてパンを捏ねている自分自身をイメージしています。