ローカルトイレ

夜、痒みで目を覚ましました。あてがわれたマットレスに棲息する目に見えない虫たちに全身を刺されていきます。50箇所はゆうに超えました。

思えば、パン作りは人の目で認識できない小さな菌たちの手を借りてできます。人の目に見えないという点では同じかもしれません。(刺された虫は頑張れば見えるかもしれません)

痒みから意識を遠ざけるためなのか、トイレに行きたくなりました。メガネを探し、ヘッドライトを付け、靴を履いて、外のトイレに行くと思うと、億劫になる。でも見上げると、標高4100mから眺める満点の星空を思い、外に出ました。

前置きが長くなりましたが、ラダックのローカルトイレはシンプルです。
部屋があり、そこに穴が空いていて、そこに用を足すスタイルです。傾斜を利用するか、家の2階に位置しています。終わった後、スコップで土をかけることが多いです。土をかけるのは乾燥を促すためだそうです。

セクモル(10/19に投稿したオルタナティブスクール)に聞いたときは、2年ぐらいで堆肥になるとのことです。乾燥地帯だからこその循環方法かもしれません。

日本だと、食べた後の先は目に見えません。村一つで循環が見えるのはとても素敵なことかもしれません。

ちなみに、旅の間ずっと痒みに苦しめられることになるのだけど、それは僕の胸の中に閉まっておくことにします。