炭窯のパン

ラダックのザンスカール地域の中心地にあるパドゥムという町には一軒だけベーカリーショップがあります。その名をザンスカール•モダン•ベーカリーといいます。この界隈を牛耳っているパン屋さんといっても過言ではありません。

ズカズカと無断で建物内に入り、突撃訪問しました。快く?見学を許してくれまして、ありがとうございます。

ちょうど仕込みをしているタイミングでした。40年の職人さんの動きに惚れ惚れしながら、シャッターを押していました。原色のケーキを横目に、パンの分割、成形、窯入れはとても美しいです。言葉は通じないけど、時々カメラ目線をくれます。

ちなみに窯入れについてです。窯を炭で温め、端に寄せます。約90個の食パンをギュウギュウ詰め込んでの窯入れでした。ピールは鉄製なので、麻袋をグローブにしています。

ベイカーたちはムスリムの人たち。ザンスカール地方はカシミール地域に近く、ムスリムの人たちも多いです。

家庭的なものとは違うけれど、ここにはここの歴史があります。

(おそらく)ドライイーストで発酵させ、炭窯で焼いたフワフワの食パンです。でも100年以上の歴史が詰まっているパンです。テンパーニュも歴史の中で脈々と受け継いでいくようなパンを焼いていきます。

■おまけの旅の経緯

ホームステイを少し休んで、ザンスカール中心地のパドゥムに来ました。9年前と同じ宿に泊まり、10日ぶりにホットシャワーを浴びました。細かなお湯たちが、上から落ちてくる奇跡の中に身を委ねました。

中心地といっても、歩いて10分のメインストリートがある程度です。その外れを歩いていると、偶然、ベーカリーの文字を見つけたのでした。